こんにちは!ブログ管理人のYoshiです。
近年のNBA(プロバスケットボール)では、単なる得点やリバウンド数だけでなく、「アドバンスドスタッツ」と呼ばれる高度な分析データが日常的に使われるようになりました。
「中継画面に表示される『+/-』や『TS%』ってどういう意味?」
「あの選手は得点王なのに、チームのレーティング(評価)が低いと言われるのはなぜ?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。実は、バスケットボールは試合の「テンポ(展開の速さ)」や「3ポイントシュートの価値」が劇的に変化したため、従来の基本スタッツだけでは選手やチームの真の実力を測れなくなっています。
今回は、現代NBA観戦を10倍面白くするために欠かせない「+/-」「TS%」「Net Rating」などの重要スタッツを、ファンなら知っておきたい「具体的な計算式」とともに徹底解説します!
1. コート上での影響力を可視化する「+/-(プラスマイナス)」
まず、最も手軽に「その選手が試合に与えた好影響・悪影響」を数値化できる指標です。
◆ +/-(プラスマイナス / Plus-Minus)
【一言でいうと】
「その選手がコート上でプレーしている時間帯に、チームの得失点差がどれだけプラス(またはマイナス)になったか」を示す指標です。
【分かりやすい解説】
得点やアシストなどの個人スタッツが「0点」であったとしても、その選手がコートにいるだけでディフェンスが引き締まったり、味方のパス回しが良くなったりしてチームがリードを広げた場合、この数値は大きくプラスになります。逆に、個人で30得点したとしても、その選手がコートにいる時間帯にディフェンスが崩壊して相手に40点取られていれば、数値は「-10」となります。「スタッツシートに表れない玄人好みの貢献度」を浮き彫りにする指標です。
【📊 計算式・算出方法】
+/- =(選手出場中の自チームの総得点)-(選手出場中の相手チームの総得点)
(例)Yoshi選手がコート上にいる15分間の間に、自チームが40得点し、相手チームに32失点した場合、Yoshi選手の「+/-」は +8 となります。
2. 最も公平なシュート効率を測る「TS%」と「eFG%」
従来の「フィールドゴール成功率(FG%)」には、「3ポイントシュートは2ポイントより価値が高いこと」や「フリースローによる得点効率」が反映されないという大きな弱点がありました。それを完全に解決した2つの指標です。
① TS%(真のシュート効率 / True Shooting Percentage)
【一言でいうと】
2点シュート、3点シュート、さらにフリースローまで含めた、打ったすべてのシュートに対する「真の得点効率」を示す指標です。
【分かりやすい解説】
現在、NBAでシュートの「上手さ・効率性」を測る最も信頼されている指標です。例えば、「FG成功率が40%の3Pシューター」と「FG成功率が50%のセンター(ダンクシュートが多い)」では、一見センターの方が効率が良く見えます。しかし、3Pシューターは1本決めるだけで3点入るため、得点効率で言えば同等かそれ以上になります。TS%はそれらすべての「得点価値の差」を公平に計算します。
【📊 計算式・算出方法】
TS%(%)= 得点 ÷ { 2 × ( フィールドゴール試投数 + 0.44 × フリースロー試投数 ) } × 100
※なぜ「0.44」を掛けるのか?(豆知識):
フリースローは基本的に2本で1セット(または3本で1セット、バスケットカウントでの1本)で与えられます。つまり、「フリースローを打つ=1回の攻撃権(ポゼッション)を消費した」ことになります。統計分析の結果、フリースロー試投数に「0.44」を掛けると、攻撃権を消費した実際のシュート回数とほぼ一致するため、この係数が使われています。
【評価の目安】
- 55%前後:NBAリーグ平均レベル
- 60%以上:極めて効率の良いエリートシューター
- 65%以上:歴史的なシュート効率(ステフィン・カリー選手など)
② eFG%(実質フィールドゴール成功率 / Effective Field Goal Percentage)
【一言でいうと】
フリースローは除外し、「3ポイントシュートの価値(1.5倍)」だけを反映して補正したフィールドゴール成功率です。
【分かりやすい解説】
3ポイントシュート(3点)は、2ポイントシュート(2点)の「1.5倍」の得点価値があります。そのため、3ポイントの成功数に1.5倍の重みをつけて計算します。フリースローを含めないため、「フィールドから放たれる純粋なシュートの効率」を測るのに最適です。
【📊 計算式・算出方法】
eFG%(%)=( フィールドゴール成功数 + 0.5 × 3ポイント成功数 )÷ フィールドゴール試投数 × 100
(例)A選手が10本のシュートを打ち、2点シュートを5本決めた場合(50%)、得点は10点です。
B選手が10本のシュートを打ち、3ポイントシュートを4本決めた場合(40%)、得点は12点です。
このとき、従来のFG%ではA選手(50%)が上ですが、eFG%を計算すると、B選手は `(4 + 0.5×4) ÷ 10 × 100 = 60%` となり、B選手の方が得点効率が圧倒的に高いことが可視化されます。
3. チームと個人の「真の強さ」を示す「Net Rating」
バスケは展開の速いチーム(アップテンポ)と、遅いチーム(ハーフコート主体)があります。展開が速いチームほど得点も失点も多くなるため、単純な1試合の得失点では強さを比較できません。そこで登場したのがレーティング指標です。
◆ Net Rating(ネットレーティング)
【一言でいうと】
「チーム(または選手がコートにいる時間帯)が、100回の攻撃権(ポゼッション)あたりで、相手より何点多く得点できたか(または失点したか)」を示す総合得失点差指標です。
【📊 計算式・算出方法】
Net Rating = Offensive Rating(オフェンシブ・レーティング)- Defensive Rating(ディフェンシブ・レーティング)
それぞれのレーティングの計算式は以下の通りです。
- Offensive Rating(攻撃力)=(チーム総得点 ÷ 総ポゼッション数)× 100
※100回の攻撃でチームが平均して何点取れるかを表します(115以上で超強力オフェンス)。 - Defensive Rating(守備力)=(チーム総失点 ÷ 総ポゼッション数)× 100
※100回の守備でチームが平均して何点取られるかを表します(数値が低いほど優秀です)。
したがって、Net Ratingは以下のように直接計算することもできます。
Net Rating = {( 得点 - 失点 )÷ 総ポゼッション数 } × 100
※Net Ratingが「+8.0」のチームは、100回の攻撃・守備の攻防において、相手を平均して8点分上回っているという、強豪チームの証になります。
4. 選手の役割の重さを表す「USG%」
エース選手がどれだけチームの攻撃を背負っているかを数値化する指標です。
◆ USG%(ユーセージ率 / Usage Percentage)
【一言でいうと】
その選手がコート上にいる時間帯において、「チームの全ポゼッション(攻撃)のうち、何%をその選手が自分のプレイで終わらせたか」を示す使用率指標です。
【分かりやすい解説】
バスケットボールにおける「攻撃の終わり」とは、①シュートを打つ(FGA)、②フリースローを打つ(FTA)、③ターンオーバー(TO / ミス)でボールを失う、の3つです。USG%が高い選手ほど、チームの攻撃戦術の中心としてボールを支配していること(オフェンスの主役度)を意味します。
【📊 計算式・算出方法】
USG% = [ { 選手個人の( FGA + 0.44×FTA + TO ) × ( チーム全体の総出場時間 ÷ 5 ) } ÷ { 選手個人の出場時間 × ( チーム全体のFGA + 0.44×チーム全体のFTA + チーム全体のTO ) } ] × 100
※式は複雑ですが、本質は**「選手個人の攻撃終了プレイ数 ÷ コート上のチーム全体の攻撃終了プレイ数」**です。コート上に選手は5人いるため、全員が均等に役割を分担すると平均は「20%」になります。NBAの絶対的エース選手は「30%〜35%以上」の極めて高いUSG%を記録し、チームのオフェンスの大部分を牽引していることがわかります。
5. まとめ:アドバンスドスタッツでNBAの戦術がもっと見えてくる!
今回は、現代NBAを紐解くための最重要アドバンスドスタッツを解説しました。
- +/-:コート上にいる間のシンプルな得失点差(隠れた貢献度)
- TS%:3Pとフリースローの価値を合算した「真のシュート効率」
- eFG%:3Pの価値(1.5倍)だけを反映した「フィールドシュート効率」
- Net Rating:100回攻撃あたりの得失点差(展開の速さを無視した真のチーム力)
- USG%:チームの攻撃のうち、その選手が何割を処理したか(エースの証明)
これらの計算ロジックを知っておくと、「得点数は少なくても、TS%が63%でNet Ratingが抜群に高いこの選手は超一流のロールプレイヤーだ」「USG%が35%もあるのに効率を落とさないエースは怪物だ」といった、NBAスカウトやGM(ゼネラルマネージャー)と同じ視点で戦術やトレードの噂を楽しめるようになります。
ぜひ、お気に入りのチームや選手のデータをNBA公式サイト等で調べて、よりディープなNBA観戦の世界を楽しんでくださいね!


コメント